● レポート
ハーモウェブセミナーレポート『終わらない樹脂不足の悩みにはこの一手!今すぐ手が打てること』2021/7/28開催

2021年7月28日(水)に開催したハーモウェブセミナー『終わらない樹脂不足の悩みにはこの一手!今すぐ手が打てること』の動画といただいたご質問への回答を掲載いたします。ぜひご覧ください。
ウェブセミナー内容
タイトルクリックで該当のコンテンツへジャンプします
- 需給ギャップが埋まらないPA樹脂の現状と見通し(3:54~)
- PA樹脂以外のエンプラ樹脂の現状(9:31~)
- PAに代わる樹脂への置き換えは可能なのか?(13:18~)
- リペレット樹脂のメリットとデメリット(15:19~)
- ハーモの粒断機がリサイクル品質を劇的に向上できる理由(18:50~)
- 他社の粉砕と比べてハーモの粒断機はなぜ良いのか?(23:09~)
- 粒断機とトータルリンクで循環型社会の貢献企業に!(36:23~)
- Q&A
- 樹脂不足のお悩みや課題をお寄せください
- 本セミナーの資料をダウンロードしてご活用ください
ウェブセミナー動画
樹脂不足でお困りの企業様はこちらの記事も
- まだまだ続きそうな樹脂不足と樹脂価格高騰に備えは十分ですか?
- PAやPBTなどの樹脂不足で、成形品の生産に影響していませんか?
- 名古屋プラスチック工業展2021レポート『原材料と人とコストをサポートするハーモのラインナップ』
需給ギャップが埋まらないPA樹脂の現状と見通し
動画3:54~
- 本年3月頃より、北米の石化メーカーのプラント停止や、樹脂原材料不足により、特定の樹脂において、樹脂供給量の不足が常態化しつつある
- 特にポリアミド樹脂に関しては、樹脂メーカーより取引契約条項の『フォースマジュール(不可抗力条項)』が発動され、樹脂不足の状態をなかなか解消できない状況が続いている(参照:2021年3月19日付け日刊工業新聞)
- 『フォースマジュール(不可抗力条項)』とは?
- 人為を超えた予測困難で制御不可能な外的要因により、契約上の義務が不履行となる場合に免責を求めること
- 今回の場合、”樹脂メーカーなどが、自然災害などの不可抗力で、原料が供給できなくなったため、自分たちの努力ではどうしようもない。私たちに責任を求めないでください”と宣言している内容となる
今後の見通し
- 影響がどれだけ長引くか具体的に見通すのは難しい
- 自動車や家電に起因する需要拡大のペースがいつまで続くのか、物流がいつ改善するのか、2つのボトルネックがある
- 素材の供給が改善しても、作った素材を運べないままでは状況が良くなるとはいえない(高雄氏)
- 化学プラントは増設が難しく、ヘキサメチレンジアミンの生産能力が迅速かつ大幅に増強されることはあまり期待できない
- ヘキサメチレンジアミンの製造拠点は米国に集中している。今回の教訓を基に拠点が分散されるかもしれないが、新たな化学プラントが稼働するには3〜5年かかる(高雄氏)
- ヘキサメチレンジアミンの供給リスクは引き続き存在しているといえる
- (参考:MONOlist 2021年4月2日『ナイロン不足は長期化の見通し、ヘキサメチレンジアミンを使う他の素材への影響も』より)
PA樹脂以外のエンプラ樹脂の現状
動画9:31~
- 向こう2年は慢性的な供給不足が見込まれているナイロン66に対して、需要家は代替材の積極的な評価を急いでいる
- PBT(ポリブチレンテレフタレート)やナイロン6でも代替できるような商材は既に移行している模様
- これにより、PBTやナイロン6の相場が上昇するという「玉突き事故」も発生している
- (参考:PlaBase[プラベース] 2021年6月15日『ナイロン66のサプライチェーン寸断、今後はどうなる?』より)
汎用樹脂について
7月3日の日本経済新聞によりますと、「石化メーカー各社は、オレフィン系樹脂の主原料であるポリスチレンの価格高騰を受け、オレフィン系樹脂のPP・PEについて、7月より5%~8%の値上げを発表した」とあります。
射出成形加工業者様はエンプラやスーパーエンプラに留まらず、自動車部品等に多く使用されている汎用樹脂の値上げにも、対応策を今から考えておく必要がありそうです。
樹脂高騰に対するお客様の声
- PC樹脂価格が2倍になった
- PBT樹脂価格が1.5倍になった
- 樹脂価格上昇分を製品価格に転嫁できない
樹脂高騰に対する商社様の声
- 不足している樹脂はナイロン66だけでなく全樹脂が対象
- 供給に余裕のある樹脂は無い
- いつまで不足は続くのか、現時点では不透明
- 価格アップは樹脂によっては、PBTやTPEE、TPOなどは30%近く値上げ
- シリコーン樹脂などもプラス10%
- PCやABSで20%アップ
PA樹脂に代わる樹脂への置き換えは可能なのか?
動画13:18~
- 製品企画・製品設計・金型製作・製品性能評価・環境テスト等の長い工程を経て、代替樹脂に置き換えられるのが一般的
- 既に1年以上時間をかけて、PAに変わる代替樹脂の置き換えに成功された射出成形加工業者様もいる
- その一方で、現在量産品として流れている製品や、既存の金型での成形を代替樹脂に置き換えるには、樹脂の収縮率の違いによる寸法精度への対応や、製品性能が満たされない等の課題がある
- 時間的に対応できないケースがある
まとめ
- ナイロン(PA66)の樹脂不足は今後も続く
- ナイロン以外のエンプラ樹脂も価格高騰している
- 汎用樹脂も価格高騰している
- ナイロン(PA66)の代替え樹脂への置き換えは容易ではない
リペレット樹脂のメリットとデメリット
動画15:19~
リペレット樹脂とは?
廃プラスチックを粉砕・溶融して原材料化し、リサイクルすることバージン材と同じ形・大きさに成形しカットすること
リペレット樹脂のメリットとデメリットとは?
メリット
- 再生された材料は粒が均一
- 可塑化計量のばらつきが少なく安定成形が可能
デメリット
- 熱履歴による物性劣化に伴う製品品質が低下する
※熱履歴により劣化・加水分解・色調変化・ガラス繊維などの破断 - リサイクル樹脂の加工賃と引き取り配達料金等、社外コストが掛かる一定量以上で無いと委託加工してもらえない
※一定量例:1トン単位の取引(25kg袋40個分) - バージン材とリペレット材の管理が困難で混同してしまい、強度不足などの不良発生を招く
ハーモの粒断機がリサイクル品質を劇的に向上できる理由
動画18:50~
リサイクル材として理想的な樹脂の形状とは?
- バージン材に近い形状
- 粒が均一
- 粉が少ない
バージン材に近い形状であれば、品質の安定、またリペレット材とは違い熱履歴による強度劣化も抑えることが期待できる。
ハーモの粒断機ならバージン材とほぼ同サイズの形状が可能
ハーモの『粒断機』は従来の粉砕機とは全く異なります。
スプル・ランナをバージン材により近く、粒状にきれいにカットできるので射出成形のリサイクル率改善につながり、多くのユーザー様からも好評いただいています。
バージンペレットとほぼ同サイズのリサイクル材を実現!
- 上記グラフはハーモの『粒断機』を多数ご購入いただいているお客様が、再生材で成形を行い、他のメーカー3社の粉砕機と弊社の粒断機を客観的に比較していただいたものです
- 特に計量時間の安定性において、明らかに弊社が突出して優れていることがお分かりになるかと思います
- ハーモの粒度はバラツキが少なく、粉が少ないために計量時間も短く、かつ計量時間のバラツキも少ないことから、計量が安定して行われると言えます
他社の粉砕機と比べてハーモの粒断機はなぜ良いのか?
動画18:50~
他社の低速粉砕機とハーモの粒断機の違い
他社の低速粉砕機
- 一回でカットしきれず何度も刃が通過するため、粒度の均一性に難があり、粉状の樹脂も少なくありません
- 刃の高さより太いランナー・スプルが来ると、上記の写真のようにくし状にカットされ残ってしまいます
ハーモの粒断機の特長(動画26:35~)
ハーモ独自の「スイング・プレス・カット方式」とは?
- ハーモの粒断機は通常の粉砕機と違い、樹脂を一定のサイズで連続切断が可能
- 粒もそろって、バージン材に近い形状のため、再生材による成形品質が安定
- 移動刃と固定刃がかみ合った時にランナーがカットされ、移動刃側と固定刃側に押し出されることで後には残りません。ここが低速粉砕機との大きな違いです
- 一番刃でカットし、移動刃側と固定刃側に押し出す
- 刃が噛み合ったと同時に二番刃がランナーの上半分をカット
- 刃が開いた時に切り落とされたランナーがこの溝に入り、カットされる
- 何回も刃がランナーを削ることがなく、粒がそろって粉が少ない再生材ができる
製品品質の安定に貢献する刃サイズ
小粒刃 2.1mm×3.5mm
標準刃2.8mm×4.5mm
- 刃のサイズがバージンペレットのサイズとほぼ同一
- シリンダスクリューの供給ゾーンから圧縮・可塑化ゾーンへ、樹脂を安定供給する事が可能
- これにより、成形の安定性を実現し、製品品質の安定に貢献
導入事例
バージン材100%から粒断機使用してリサイクルしたお客様の例
- ユーザー:某カメラメーカー様
- 材 料:光学系材料
- 高級樹脂(3000円/kg)を使用してレンズを成形
導入後
リサイクル率0%→10%
導入の経緯
すでに大手カメラメーカー様は粒断機の評判を聞いており、テストカットしたら粉はほかに比べはるかに少なかったが、さらに少なくしたいと固定刃側にヒーターを入れてゆっくりカットした。
ハーモからのご提案
光学系は白点等を恐れ、粉を嫌うため、再生材はNGの場合が多いですが、スプルの方が製品よりも質量が大きく、コストのムダが多いため試してみる価値はあります。
その他、再生材NGの可能性が高い「自動車の保安部品・機能部品」や、「携帯電話のボディ」などもテストの価値があると思われます。
粒断機とトータルリンクで循環型社会の貢献企業に!
動画36:23~
“ムダに樹脂を捨てない” 取り組みも「トータルリンク」で貢献
成形終了後のお悩み
- 材料交換の際に出る樹脂の塊を何とかしたい
- 材料交換の際に、余分に残るプラスチック材料を減らしたい
- 現場作業者は、残ったホッパー内の材料までパージしてしまう
トータルリンクでのご提案
- トータルリンクで樹脂供給を自動コントロール!
- 生産終了に併せて、ホッパーへ必要最小限の樹脂を供給が可能
トータルリンクが樹脂リサイクル・リデュース活動に貢献します
樹脂のリサイクル・リデュース活動へのお手伝いを通じ、地球環境に配慮した「循環型社会貢献活動」を行なっています。ハーモはみなさまの樹脂リサイクル・リデュース活動をお手伝いします!
ハーモのトータルリンク
ハーモの『トータルリンク』は射出成形の品質向上とコスト低減に貢献します。
射出成形の生産ラインをまるっと管理。
周辺機器の一括設定・一括起動・一括モニタで射出成形の自動化・品質向上・コスト低減を実現します。
Q&Aのコーナー
Q 粒断機の刃のメンテナンスの頻度はどのくらい必要ですか
- 使用頻度、樹脂の性状、添加物によって大きく異なります。
- 弊社成形工場の粒断機は五年以上刃のメンテナンスはしていません。
- ナイロンガラス入り。しかし、PPS・ガラス40%・24時間成形の場合は1.5年から2.0年で定期的にメンテナンスをしていただいているお客様もございます。
Q 実際に粉砕材をどれくらいまで混ぜてもいいのか。何に気をつければ割合を増やせますか?
- 材料にもよりますが、30%までは問題ないかと思います
- お客様によっては全量還元して50%近い方もいらっしゃいます
- こればかりはリサイクル材で成形テストしていただかなければわかりませんので、貸出機やサンプルカットの精度をご活用ください
Q PPS樹脂の不足についても取り上げてほしいです
- PPSも価格は高騰していることは事実の様ですが、数字まではわかりません。
- しかし、お客様でPPSガラス40%で他社の粉砕機から粒断機に変えられて30台以上ご購入いただいた方もいらっしゃいます
- ランナー部の方が比重が大きくコストもかかるため、耐摩耗仕様の特殊刃で納入させていただきました
Q 射出成形機のペレット食い込み不良があり、リターン材の使用を見送っている成形品があります
- リサイクル材の粒が不揃いであったり、大きかったり、粉が多いとスクリューが材料を噛みこまず、計量時間が不安定になるなどの現象が出るかと思います
- 粒断機を購入されたお客様で計量時間が安定したというお声もお聞きしますので、ご要望であれば営業から詳しいお話をさせて頂きます
樹脂不足のお悩みや課題をお寄せください
私たちハーモでは、弊社の製品をご案内する前に、まずは樹脂不足でお困りの企業様の現状を教えていただければと存じます。
ご連絡をいただき次第、弊社担当者からご連絡さしあげ、課題をお聞きし、一緒に解決策を考えさせていただきます。
本セミナーの資料をダウンロードしてご活用ください
こんな方におすすめです
- 再生材の調整に手間がかかる(射出成形機オペレーター様)
- 生産計画を立てられない(生産ライン管理者様)
- 再生材の割合を増やすと成形不良が出る(品質管理者様)
- 樹脂の取り合いで苦労している(工場責任者様)
- 原料費高騰で頭が痛い(経営者様)
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