自動車のEV化にともなう射出成形の今後の課題とハーモのトータルリンク

自動車のEV化にともなう射出成形の今後の課題とハーモの『トータルリンク』

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自動車業界と射出成形の課題解決

自動車業界における射出成形部品の様々な課題に、株式会社ハーモが貢献できる資料、コンテンツ、動画、Webセミナーを1つのページにまとめてご用意しました。自動車業界の射出成形部品における課題解決にお役立てください。

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外部環境の変化とイノベーション

ブラウン管から液晶へ、フィルムカメラからデジカメへ、携帯電話からスマートフォンへ。
このようなイノベーションは、内燃機関(エンジン)を駆動元として来た自動車業界に今、130年ぶりのパラダイムシフトを起こしています。

自動車業界におけるカーボンニュートラルへの取組み

地球の気候温暖化を背景とするカーボンニュートラルへの取り組みは、全世界のCO2排出量の20%を占める運輸セクターに対し、大きなインパクトを与えています。

加速するEV自動車への流れ

トヨタ自動車は、カーボンニュートラルを2035年へ前倒しすることを決めました。また、ホンダは2025年に内燃機関製造の主力拠点の一つであり、エンジン部品を製造する栃木県真岡工場の閉鎖を決めています。
今後カーボンニュートラルを背景に、ガソリン車からEV車への流れは、更に加速することが予想されます。

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相次ぐ自動車メーカーの減産と射出成形加工業の対応

 

 

急速に進展する中国市場のEV化

2023年5月30日追記

2023年の中国自動車市場は3台に1台がEV車となる見通しで、従来予想をはるかに上回る速さでEV化が進む予測です。2023年の中国自動車市場は2022年比3%増の2760万台となる見通しで、世界の自動車市場No. 1を継続する模様です。
このうちの33%がEVとなると900万台以上がEV車となり、世界生産台数一位を誇るトヨタグループの1000万台強に匹敵する巨大EV市場が出現する見込みです。

樹脂部品の置き換えや、金属と樹脂の複合部品の需要増が予測される

EV車は航続距離とバッテリー重量が比例するので、航続距離を伸ばそうとするとバッテリー重量は増加します。航続距離を伸ばすと共に、車を停止させる制動性能を維持するためには部品の軽量化が必要になります。
バッテリーの軽量化技術の進展はもとより、EV車に搭載される他の部品も軽量化を求まられ、金属部品から樹脂部品へ置き換えや、金属と樹脂の複合部品の需要は今後増加することが予想されます

 

タイ政府、2030年までに国内生産の車3割をEVに

2022年12月21日追記

タイ政府は2030年までにタイ国内で生産する車の30%をEVにすることを目指し、自動車メーカー向けの補助金や減税を柱とした奨励策を導入しました。これに呼応するように、中国のBYDやEV事業に参入を決めた台湾のホンハイ精密工業は相次いでタイ国内に工場建設を表明しています。
本年1月~11月にタイ国内で販売されたEV比率は、未だ1%未満ですがその7割近くは中国の長城汽車、上海汽車集団により占められ、タイの自動車業界の構造変化も予測されます。今後南アジアにおける自動車生産拠点のタイにおいて、日本メーカーの対応が注目されています。

日本メーカーの対応

トヨタ自動車はタイにある3工場の内、2工場で生産されているIMV(イノベーティ ブ・インターナショナル・マルチパーパス・ビークル)にEVを投入すると表明しました。 火力発電に多くの電力供給を依存している同国では、トータルのCo2排出削減においては HVと大差が無いことや、充電インフラの整備の課題もあり、当面EVの投入は少数に留まりそうです。
しかし、タイ工業連盟が発表した2021年のタイの自動車生産台数168万5705台から、2030年のEV生産台数は50万台規模と予測され、生産車種の変化はタイ国内の自動車用射出成形部品の生産にも変化を求められることが予想されます。

 

米国『歳出歳入法』可決と車のEV化

2022年9月21日追記

2022年8月16日アメリカで新たな「歳出・歳入法」が成立、バイデン大統領が署名しました。法案の歳出の大半は気候変動対策に当てられる様子です。
中でもEVに対しては「北米で組み立てられたEVやPHVを対象とした税額控除」や、「EVに必要な電池材料の条件付調達や電池製造の現地化」などの制約を求められそうです。車の消費第2位の米国市場において、各自動車メーカーはEVに関連する部品供給網の見直しに迫られそうです。

 

EV世界新車販売続伸

2022年8月22日追記

2022年8月19日の日本経済新聞によると、2022年1月~6月の世界新車販売上位20社の内、テスラやBYDなどのEVメーカーが占める割合は、前年同期比2.2ポイント増の4%となった模様です。今後、EVを軸として、自動車メーカーのポジションに変化が見られそうです。
台数ではテスラは56万台と前年同期比5割増え、BYDも補助金による追風や200万円台~400万円台の価格帯が若年層を中心に伸び、64万台と前年同期比2.6倍になった模様です。

英調査会社LMCオートモーティブによると、2017年に85万台であったEVの世界新車販売台数は2022年に約700万台、2030年には3500万台の見通しを立てており、EVの世界販売台数は更に伸長することが予測されます。今後EVの伸長により、EVに搭載される射出成形部品も同じ曲線を描くように伸長することが予測されます。

 

自動車メーカー各社がEVを加速か

2022年4月15日追記

4月14日報道各社によると、「ホンダは2030年までに世界でEV30車種、年間販売台数を200万台超とする」と報道しました。この台数はホンダ全体の40%を超える台数となります。既にEV市場に参入を決めたソニーはホンダとEV生産の協業を発表しており、EV生産のスケールメリット確保の動きを見せています。

また、昨年度の全世界でのEV販売は前年比の2.2倍の460万台で、HV(ハイブリット車)の310万台(簡易ハイブリットを除く)を初めて超えた模様です。カーボンオフセットの流れと共に、今後10年程度の期間においてEV化は更に加速することが予測されます。
車のEV化の加速は更なる車の電子化や車載部品の高度化の進展が見込まれ、車載用射出成形部品の需要増加が見込まれます。

 

EV市場へ相次ぐ異業種からの参入

2022年1月21日追記

さまざまなメディアの報道によると、車のEV市場へ異業種からの参入表明が相次いでおります。
車には多くのプラスチック部品が採用されている中、新たなコンセプトのEV誕生は今まで搭載されなかったプラスチック製品が車に搭載されることも予測され、射出成形加工業にとって大きなビジネスチャンスと捉えることができるかもしれません。

海外企業のEV参入

  • 2020年1月 アップルEV参入、韓国現代自動車と交渉
  • 2020年2月 中国百度EV参入表明
  • 華為技術(ファーウェイ)EV参入表明
  • アリババ・ホンハイ精密工業EV参入表明

国内企業のEV参入

ソニー

2020年1月ソニーの吉田社長は「次のメガトレンドはモビリティーだと信じる」と述べ、ソニーのデザインでカナダのマグナインターナショナルが完成車を担当し、EV「VISIONV-S01」を発表、コアコンセプトとしては、「Safety Cocoon」を掲げカメラ13個・レーダー17個・SS型赤外線レーダーLiDAR3個を搭載したEVを発表し、 同社の強みである「センサー事業」「AV事業」[通信機器事業」のシナジーを活用し、モビリテイー事業へ参入を表明しました。

また、2022年1月5日から米国ラスベガスで開催された、世界最大級のテクノロジー見本市CESでは、SUV車の「VISIONV-S02」を初公開し、新会社ソニーモビリティーの設立を発表しました。

出光興産

出光は2021年2月、超小型EV市場への参入を決めた。国内6400箇所の系列サービスネットワークを利用し、日本国内固有の道路事情から見込まれる国内軽自動車3000万台の市場へ超小型EVで参入を決めました。
国土交通省発表の超小型モビリティー規格に準拠し、2022年の上市を予定している。同社の強みである「系列サービスステーション」と「日本の道路事情」という日本固有の機会を捉えた戦略を決めた模様です。

ヤマト運輸

ヤマト運輸は、2020年3月ドイツDHLグループ傘下のEVベンチャーと共同開発したEVトラックを導入しました。同モデルは、日本郵便も1200台導入を決め、そのコンセプトは「働きやすい車」を基に開発を検討した模様です。

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これらの新規参入の事例はEVに伴う部品点数減少を背景に、今までは対応し切れなかった個別ニーズ対応が可能となったことや、CASEを意識したモビリティーのイノベーションを通じ、自社の強みを更に応用拡大する戦略を描いていることも予測されます。
国内で550万人が働く自動車産業は大きな転換点を向かえ、射出成形の業界にも新たなビジネスチャンスをもたらすことが予測されます。

迎え撃つ既存自動車メーカー

2021年12月14日トヨタ自動車は2030年に350万台30車種のEVを市場投入するとと共に、そのために4兆円をEV関連へ投資する発表しました。
業界リーダーとして、全方位戦略を進めるトヨタとしては、トヨタ全体の35%をEV市場へ投入することになりそうですが、350万台の規模は、GM(ゼネラルモータース)の生産台数の約4割、現代自動車の生産台数の約5割の規模となり、既存メーカー各社の競争地位の戦略へ与えるインパクトは大きいと言えそうです。
また、EV化の進展は、車に搭載されるセンサー・カメラモジュール・バッテリー等電気関連部品の増加を伴い、射出成形加工業者様にも業際化による新たなビジネスチャンス到来と言えそうです。

EV化に伴う国の支援策

2022年1月11日付けの日刊工業新聞によると、「経済産業省は自動車部品メーカーの業態転換を支援する。電気自動車の普及に伴いエンジン部品など需要減少が見込まれるサプライヤーに対し、事業戦略の相談窓口を設けるほか、新技術の開発や設備投資を補助する。補助上限を引き上げる要件などを一部変更し、2022 年度から始める方向で調整している」と報じました。

自動車部品メーカーの業態転換は、新たに射出成形分野への進出も考えられ、既存の射出成形加工業にとっては、新たな競争相手が増えることも一方で考えておく必要がありそうです。

 

COP26でEV化(電気自動車化)が加速か!

2021年11月29日追記

2021年11月10日に発表された、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の共同宣言によると、車の主要市場では2035年、世界全体では2040年までに、電気自動車(EV)等の「ゼロエミッション車」とすることを発表しました。

この声明に、英国・カナダ・チリ・オランダ・スウェーデン等24カ国と、メルセデスベンツ・GM・フォードといった、自動車メーカー11社・団体が署名した一方、日本・米国・中国・ドイツの4カ国と、日本の自動車メーカー・フォルクスワーゲン(VW)・BMWは署名を見送りました。
また、同声明には投資家や金融機関も加わり、ゼロエミッション車への移行を、金融商品等金融面から支援するとし、今後EV化の流れと共に、ESG投資の流れも加速しそうです。


各国の自動車規制

アメリカ

アメリカ合衆国カリフォルニア州は2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車発売を禁止。

イギリス

イギリスは2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止。2035年までにはハイブリッド車の販売も禁止。

カナダ

カナダケベック州では2035年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売禁止を発表しています。

中国

さらに、世界最大の自動車市場である中国では、2035年を目処に全ての新車をEVHVにするための工程表を専門化団体が発表しています。

このように、各国はZEV(ゼロミッションビークル)の取り組みを推進しており、これから の10年でガソリン車からEV車への流れは、更に加速することが予想されます。

 

自動車技術の高度化と消費者の変化

インターネット・GPS・5G通信の普及、AI人工知能の進化、ETCなどの交通インフラITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)の高度化といった技術の高度化が進んでいます。
そして、シェアーエコノミー、先進諸国の人口減少や若者の車離れ、運転免許保有者の高齢化といった消費者の変化。この2軸を前提に、自動車業界は新たな取組み課題として、CASEの概念を提唱しています。

CASEとは(自動車の進化の方法性)


C:Connected(コネクティッドカー)

インターネット技術やGPS技術を応用し、自動車同士や緊急連絡先と繋がる技術イノベーションを指します。

A:Autonomous(自動運転)

AIやセンサー、カメラ、ITS,GPS等を活用した、技術の高度化による自動車の自動運転を指します。

S:Shared & Services(シェアー&サービス)

ライドシェアーやカーシェアーとよばれる新しいサービスの考え方です。「自動車の所有」から「移動手段としてのサービス」を自動車メーカーが提供する考え方で、MaaS(Mobility as a Service)と言われています。

E:Electric(エレクトリック)

自動車の電動化を指します。

上記のCASEに表されているように、技術の高度化や消費者の変化とと共に、ガソリン車からEV車への流れは更に加速することが予測されます。

 

EV自動車の抱える課題

自動車業界を取り巻く外部環境や、技術の高度化やさまざまな技術革新は、自動車のEV化の流れを加速させる一方、未だいくつかの課題も抱えています。
その課題は、航続距離、電池エネルギー密度の向上、重量低減・コスト低減、インフラ整備(充電ステーション等)と言われています。

EV自動車において軽量化は重要課題

特に、航続距離とエネルギー重量はトレードオフの関係にあります。
2018年時点のデータでは、700kmを走行するのに必要なガソリン40Lを比重換算すると32㎏でした。
同じ700kmを走行するのに必要とするバッテリー重量は640㎏(バッテリー密度180Wh/kg時)でガソリンと比べ20倍もの重さになります。
バッテリー密度を10倍の1800Wh/kgにできたとしても、EV自動車の動力に必要なエネルギー重量は、ガソリンに比べ2倍となります。
ガソリン車に比べ、一万点の部品削減が期待できるEV車においても、自動車の軽量化は航続距離、制動距離の観点からも重要課題であることに違いはありません。

 

射出成形におけるEV車の課題への対応

自動車のEV化が加速する中、軽量化への取り組みは、今以上に求められることは間違いありません。
特に、重量の嵩む金属部品から樹脂への代替は増加が見込まれ、CFRP・CFRTP等の新素材の開発は、シャーシへの金属代替樹脂としても採用が始まりつつあり、EV車の課題対応に射出成形は大きな貢献を期待されています。

自動車EV化に伴う樹脂部品の採用増

一方、EV化に伴う樹脂部品の採用増加は、今まで以上に製品形状の複雑さが予測され、3次元形状を求められたり、局所的偏肉成形製品を求められます。スライドコアの増加や、ゲート形状が複雑になる等、品質を保つために今まで以上複雑になることが予測されます。

製品形状の複雑さは、金型構造を複雑にさせるため、金型の冷却配管の設計もより複雑になります。このため、下記のような成形技術の高度な管理が求められます。

自動車EV化に伴う射出成形技術の高度な管理
  • 冷却媒体の流量は安定して供給されているか
  • スケール等により流量変化が起きていないか
  • 良品を得られる流量閾値(しきいち)の範囲に媒体流量は流れているか
  • 媒体温度は設定通り一定の範囲で稼働しているか

 

今後求められる成形技術高度化への対応

今までの金型温度調節機では、冷却媒体流量の表示や温度表示は可能でも、異常を捉えて知らせる、異常に応じ成形品を選別する、異常を後から確認することはできませんでした。

冷却媒体流量と温度の閾値設定が可能なハーモのトータルリンク

ハーモの『トータルリンク』は、金型温度調節機と取り出しロボットをつなげることで冷却媒体流量と温度の閾値設定ができます。

閾値を超えると

成形中の冷却媒体の流量と温度の異常を知らせる

異常を確認した際

不良品かもしれない成形品を取り出しロボットが自動選別する

異常が発生し不良品が出てしまった際

金型温度調節機の冷却媒体の流量と温度データをトレースすることができる

ハーモの『トータルリンク』により、EV車に伴う成形技術の高度化への対応が可能になりました。

ハーモのトータルリンク

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こんな課題を抱える企業様におすすめです。
  • 射出成形の設定に手間がかかる(射出成形機オペレーター様)
  • 設備がトラブル停止していても気付きにくい(生産ライン管理者様)
  • 成形品のトレーサビリティが確保できない(品質管理者様)
  • 成形品質が作業員のスキルに左右される(工場責任者様)
  • 現場の人手不足で頭が痛い(経営者様)

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特設ページ『自動車業界と射出成形の課題解決』

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