成形終了時の段取り作業
成形終了時の段取り替えには多くの作業があります。
成形終了後の金型交換作業
- 金型温度調節器を停止させる
- 金型に接続されたホースを外す
- ホイストと金型を連結する
- 金型を固定しているボルトを外す
- ホイストと金型のテンション調節を行う
- 成形機プラテンを動かし金型を成型機から外す 等
材料の交換作業
- 材料乾燥機の電源を切る
- 成形機上のホッパーから残った材料を排出する
- スクリュー洗浄材料を投入し射出塔内に残る樹脂の排出と清掃を行う 等
段取り替え作業は、決められた手順により実施されますが、手順には電力削減の視点が抜けていたりします。
成形終了後も無駄に運転し続ける周辺機器
交錯した作業工程では効率低下や作業ミスが発生しやすい
- 金型交換途中に材料交換作業を行なう
- 材料交換途中に金型交換作業を行なう 等
このため、多くの成形現場では「金型交換作業」と「材料交換作業」に分けて作業工程を組まれています。
無駄な電力を消費しているケース
- 材料交換の際に材料乾燥機の電源は切られていても、金型温度調節器の電源は入ったまま
- 金型交換の際に金型温度調節器の電源は切られていても、材料乾燥機の電源は入ったまま
- 材料が不要な状態でもホッパーローダーは空吸いのまま動き続けている
- 粉砕物がない状態で粉砕機が動き続けている 等
また、成形現場においては、段取り替え作業以外にも製品の検査や梱包作業、完成品の運搬等、多くの業務があります。
業務の緊急度や優先度により、成形終了後すぐに段取り替え作業を行なえず、その間周辺機器は動き続けて、無駄に電力を消費している場面もお見掛けします。
無駄な電力を削減するハーモの取出しロボット
取出しロボットのトータルリンク機能
- ロボットコントローラーにあらかじめ成形品の生産計画数量を入力
- 取出しロボットから周辺機器に指令を出す
- 生産終了に合わせて周辺機器の電源を自動停止
電力料金高騰の折、トータルリンク機能は省エネに貢献
周辺機器の電源切り忘れや、成形終了しているにも関わらず周辺機器が運転し続けている等、気付かずに消費し続けている無駄な電力は取出しロボットのトータルリンク機能で削減することができます。
また、無駄な電力削減はカーボンニュートラルにも貢献します。
詳細は下記の記事をご覧ください。
電力消費削減例
Ⅰ回の段取り替えで15分ロスした際の年間の電気料金例
|
15分当たりの電気消費量 |
一日当たり段取り替え回数 |
月稼働日 |
年間電力料金 |
金型温度調節器 |
0.53Kwh |
2回 |
20日 |
5,917円 |
除湿乾燥機 |
0.52Kwh |
2回 |
20日 |
5,806円 |
粉砕機 |
0.19Kwh |
2回 |
20日 |
2,121円 |
合計 |
1.34Kwh |
2回 |
20日 |
13,844円 |
一時間当たりの金型温度調節器の消費電力量
2.12kw/h×23円26銭=49.3円
- 金型温度調節器ポンプモーター0.74kw2P、ヒーター容量3kw、温度設定80℃、供給水25℃で計測
- 電力料金は東京電力2023年2月15日公表平均市場価格(円1Kwh当たり)を参照
一時間当たりの除湿乾燥機の消費電力量
2.068kw/h×23.26円=48.1円
- 除湿乾燥機ヒーター3kw、ブロワー1.5kw、設定温度120℃で計測
粉砕機一馬力
0.75kw/h×23.26円=17.5円
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