樹脂のリサイクル率向上・再生材について
射出成形のコストダウンにおいてはスプル・ランナの再生材リサイクルが非常に重要です。樹脂のリサイクル率を向上することで、原価低減に大きく貢献します。
樹脂の再生材の製造では一般的に粉砕機が使用されますが、ハーモでは『粒断機』と呼び、通常の粉砕機とは別のものとしてご提供しています。
このページではハーモが毎月開催しているWebセミナーに寄せられた樹脂再生材や粒断機についての質問回答を掲載します。皆様の課題解決にお役立てください。
樹脂のリサイクル率向上・再生材についての目次
オンラインセミナーからのご質問と回答 ①
樹脂の再生材リサイクル率の向上
樹脂の粉砕機(ハーモでは粒断機)
『リサイクル率を2倍にする『粒断機』がモデルチェンジして新登場!』で寄せられた質問についての回答をご紹介します。
Q1 ハーモの粒断機の処理能力について教えてください。1時間当たりの樹脂が何キロくらいになるのでしょうか︖
- スプル・ランナの形状や太さにより処理能力は変化します
- ハーモの試験では取出機による間欠投入で最大9kgから12kgです
- 測定に用いたスプル・ランナは硬質材専用機ではPA6 GF20%、最大径4mm、質量4gです
- 軟質材専用機ではエラストマー、最大径6mm、質量3gです
Q2 ハーモの粒断機SPCIIで粒断していただいた樹脂リサイクル材 (GF入りPA) を100%使用して実際に成形してみましたが、流石にバージン材と比較すると計量時間と材料の粘性がばらつき、成形品質も(問題ない範囲ですが)ばらつきました。これは再生材の使用比率を調整する、あるいは計量条件の調整などで改善可能でしょうか?
- 成形に関することなので、お答えするのは難しいですが、再生材の使用比率を調整して問題のない範囲での樹脂リサイクル成形をお願いいたします
Q3 樹脂材料の粒が揃っていることを定量的に評価する方法はありますか︖
- 粒断材を5種類の「ふるい網」使い分類・評価しています
- 網目サイズは5.6mm、4.0mm、2.8mm、2mm、1.0mmです
Q4 粉砕機だと樹脂粉砕材への金属異物の混入が懸念事項としてあるのですが、ハーモの粒断機ではどうでしょうか?
- 粒断機についても、スプルー・ランナーにまぎれて金属が入ると、刃物が破損します
- 金属混入の心配がある場合は、ホッパー投入口、またはタンク内のマグネット(オプション)の取付をお勧めします
Q5 粒断機SPCIIIは上部がアクリル製で販売していますか︖
- 全面アクリル製のホッパーは展示用になりますので販売はしていません
- 標準のステンレス製ホッパーにアクリル製の窓を取り付けることは可能です
- 取付位置・大きさ・個数などのご指定があればお見積りをいたします
Q6 射出成形のランナーではなく成形品は粒断機だとどれくらいのサイズ・厚さまで樹脂を粉砕できますか︖
- 粒断機はスプルー・ランナー専用なので、成形品を粒断することはできません
- また、仮に製品を投入しますと、スプルー・ランナーよりも処理時間がかかり、粒断材の品質が悪化します
- 具体的には粉が多くなるので、安定した成形が損なわれます。ご了承の上ご検討願います
オンラインセミナーからのご質問と回答 ②
『製造原価低減に寄与する粒断機とトータルリンク』で寄せられた質問についての回答をご紹介します。
Q1 硬度50程度のエラストマー樹脂をソフトタイプの粒断機で対応しようと試みましたが全くできませんでした。現在の最新粒断機の開発状況を教えてほしい。
- 粒断機はゴム硬度Dスケール38以上であれば切断できる設計です
- 成形直後の熱く柔らかい状態で切断しているようでしたら厳しいかもしれません
- 一回コンベヤで受けてゆっくり冷やして固めてから粒断機に投入することをお勧めします
- それでもだめであれば一回サンプルを30個ほどお送りください。こちらでも検証させていただきます
- この動画を見る
Q2 現在使用している破断機でのリペレットだと、稀にスクリューの噛み込が悪く計量しない場合があります。ハーモの粒断機は樹脂が限りなくペレット状に近いとのことですが、ペレット径はどの位でしょうか?また、細いランナーでも対応可能でしょうか?
- ミスカットのランナーが成形機ホッパーの出口に集まると、まずブリッジを起こして入っていきません
- また、粉砕材の問題点として「ミスカット」「粉が多い」「大きさが不揃い」などが挙げられます。粉砕材は樹脂材料が嚙みこみにくく、計量が安定しない現象が出てきます
- 30トンの成形機スクリューの太さは18φ程ですが、ここに5mm~6mmの粉砕材や、ましてやミスカットの材料が来たら空回りするだけで計量ができないことは明らかです
- 一方、粒断機ですと、例えば同じ1馬力の他社粉砕機に比べて樹脂の粒径が安定していますので、大きすぎる粒が出ませんし、ミスカットもほとんど出ませんので、ブリッジも起きず計量が安定します
- 細いランナーも小粒刃タイプであれば2.7mmまで正常にカットが可能です
- この動画を見る
Q3 粒断した樹脂のペレットサイズ、形状を知りたい。細いランナーが粒断されないまま、メッシュを通りぬけてしまうことへの対策を知りたい。
- メッシュとは高速粉砕機のスクリーンの目のことだと思いますが、粒断機はそもそも構造が違いますので、スクリーンタイプの粉砕機の様に細いランナーがする抜けることはほとんどありません
- ハーモ独自の「スイング・プレス・カット方式」で、樹脂を一定のサイズで連続切断が可能。確実にカットしますので、粒もそろって粉も少なく、ミスカットがありません
- この動画を見る
Q4 PP(ポリプロピレン)で樹脂をカットしきれないものが混ざり、成形機ホッパー下でブロッキングが発生することがある。安定して細かくカットする方法などありますか?
- おこし状でブロッキングということは、おそらくタクアンの切りそこないのように、皮一枚でいくつもつながっている状態のことと推測されます
- もしPPで柔らかいものでしたら下記の対策が考えられます
- 成形直後は熱く弾力のある状態なので、切り切れない可能性がある
- 一回コンベヤなどで受けてゆっくり冷やして固めてから粒断機に投入する
- 軟質材粒断機の刃開きをさらに調整することが必要(個別対応)
- それでもだめであればハーモに樹脂のサンプルを30個ほどお送りください。こちらでも検証し、お答えさせていただきます
- この動画を見る
- PP(ポリプロピレン)のリサイクルについての詳細は下記ページをご覧ください
ポリプロピレン(PP)の樹脂リサイクル向上を実現する粒断機
Q5 ガラスフィラー40%含有の樹脂材料を使用した場合、耐久性はどれくらいになりますか?
- サイクルタイムにもよりますが、樹脂:PPS(GF40%)、24時間稼働、刃のタイプは強化タイプ(ハイス刃)で、1年半で交換という実績があります
その他のご質問と回答
Q1 カメラ用レンズ成形でも樹脂の再生材リサイクルは可能でしょうか?
- はい。ハーモの粒断機なら可能です
- カメラ用レンズの成形品を製造しているメーカー様で「バージン材でしか成形できないカメラレンズの成形品で樹脂の再生材を使えるようにしたい」というリサイクルのご相談にお応えした実績があります
- これまで0%だった樹脂リサイクル率が10%にアップし、生産コストの低減も実現し、お客様にとても喜んでいただきました
- 樹脂リサイクルの成果事例について詳しくはこちらをご覧ください
Q2 自動車部品の射出成形で樹脂再生材リサイクルの実績はありますか?
- はい。ハーモの粒断機を導入いただいた実績が多々あります
- 某自動車部品メーカー様ではハーモの粒断機導入により樹脂のリサイクル率が大幅にアップし、年間2億円の生産コストを削減いたしました
- 樹脂リサイクルの成果事例について詳しくはこちらをご覧ください
Q3 樹脂のリサイクル混合比率20%の実績はありますか?
- はい。ハーモの粒断機を導入いただいた実績が多々あります
- メガネ部品メーカー様ではハーモの粒断機導入により再生材の品質が上がり、樹脂リサイクル混合比率20%を実現いたしました
- 樹脂リサイクルの成果事例について詳しくはこちらをご覧ください
ハーモの粒断機(粉砕機)について
スプル・ランナの樹脂リサイクル率を200%向上
ハーモの『粒断機』は従来の粉砕機とは全く異なります。
射出成形における樹脂の粉が発生する原因がなく、熱や静電気の発生も最小限にとどめることを可能にしました。
スプル・ランナをバージン材により近く、粒状にきれいにカットできるので射出成形の樹脂リサイクル率改善につながり、多くのユーザー様からも好評いただいています。
樹脂のリサイクルを動画でわかりやすく
環境に配慮し材料コストにも貢献|粒断機・混合機の紹介動画
『粒断機』でカットした樹脂再生材スプル・ランナの特徴
- 樹脂の粉が少なく、粒が揃っている(バージン材により近く)
- 軽量時間を短縮
- 安定成形でヤケも少ない
- リサイクル材の混合比率を2倍以上にできる
- エラストマーなどの軟質材も専用機できれいに樹脂のリサイクルが可能
ハーモの粒断機についてはこちらをご覧ください。
射出成形の樹脂リサイクル率を向上するダウンロード資料
射出成形の樹脂リサイクル率を向上するための資料をご用意しました。ぜひご活用ください。
- 今すぐわかる10のチェックリスト
- 成功事例 某カメラメーカー様の場合
- 成功事例 某自動車部品メーカー様の場合
射出成形の樹脂リサイクル率にお悩みの企業様へ
射出成形の樹脂リサイクル率についてお悩みの企業様はぜひご相談ください。
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