ガラスフィラー強化剤入り樹脂とは
金属よりも軽く複雑な形状の加工が容易な樹脂材料は「製品の軽量化」と「部品点数削減ニーズ」を背景に、金属代替材料として用途が拡大しています。
しかし、金属に比べ樹脂材料は強度が弱いため、自動車部品に使われるPA、電子部品に使われるPPS、工業部品に使われるPBT等は、強度を保つためにガラスフィラーなどの強化剤を含む樹脂を採用しています。
金属同等の性能で加工が容易なガラスフィラーなどの強化剤を含む樹脂の活用は各業界で今後増加することが予測されます。
ガラスフィラー強化剤樹脂リサイクルの課題
製品原価の低減やカーボンニュートラルを背景に、樹脂リサイクルのニーズは増加しており、樹脂によっては80%以上のリサイクル率でも物性変化を認められない樹脂も存在することから、樹脂リサイクルへの関心は高まっています。
樹脂のリサイクル(適正還元率と評価基準)について詳しくはこちらをご覧ください。
知っておきたいリサイクル樹脂材料の適正還元率と成形品の評価基準
強度の保持と環境対応に応えるリサイクルが求められる
一方で、ガラスフィラー強化剤を含む樹脂のリサイクルにおいては、ガラスフィラー強化剤が細かく砕かれてしまい、製品強度を保つことができないのではないかといった課題もあります。 また、粉砕されたガラス粉による工場内環境の悪化と作業者への影響を心配されるお客様も少なくありません。
粒断機でリサイクルの課題を解決
ある自動車部品メーカーの研究部門で実際に粉砕機と粒断機で砕いた樹脂のガラス繊維長を比較検討頂いたところ、以下のご回答をいただきました。
お客様の声(自動車部品メーカーの研究部門)
「お世話になります。先日粒断機での弊社ガラス繊維入り材料ランナーの サンプルカット有難うございました。カットサンプル(フレーク)内部のガラス繊維長の統計解析を実施しておりましたが、結果が出まして、従来粉砕機との比較実施したところ、データの詳細は提示できませんが、予測通り、粒断機による繊維長の劣化は少なくリサイクルに使用する際の品質が高いことが分かりました。まずは結果報告させて頂きます。
今後とも何卒宜しくお願い致します」
粉砕機と異なる粒断機の樹脂カット方法
粒断機は「スプルランナーの粗砕部」と「粗砕されたスプルランナーをプレスカットする機構」に分かれています。プレスカット機構では、一回一回樹脂をプレスで打ち抜く様にカットするため、粉砕機のように、樹脂を何度も何度もこするような切断方法ではありません。
ガラスフィラー強化剤の繊維長を壊すことなくリサイクル
また、プレスカットの刃のサイズは、標準刃で2.8MM×4.5MM、小粒刃で2.1M×3.5MMと、バージンペレットに近いサイズで設計されています。
よって、切断の際発生する粉が極めて少なく、粒が均一である特徴を持つため、粉砕機に比べ、ガラスフィラー強化剤の繊維長を壊すことなくリサイクルが可能となります。
ガラスフィラー強化剤を野菜の食物繊維に例えると
の違いと言えそうです。
粒断機の提供価値
期待できる効果(コストダウン)
成形のモデルケース
樹脂価格(1㎏) |
¥3,000 |
1ショットのスプルランナー重量 |
100ℊ |
成形サイクル |
30sec |
1日の稼働時間 |
16時間 |
1月稼働日数 |
21日 |
リサイクル還元率を10%増加した場合
10%リサイクル還元率を増加できると、1年間に1,451万円のコストダウン効果を見込めます。既にガラスフィラー強化剤を含む樹脂のリサイクルを実施されているお客様においては、粒断機を活用することで更に製品強度に関する品質向上を実現することができそうです。
また、ガラス繊維による粒断機の刃の摩耗への対応としては、オプションにてハイスピード鋼の刃をご用意しております。
粒断機の製品ページを見る
デモ機の無料貸出
御社で使用されている樹脂をテストカットしてみてください。弊社スタッフも現場で立会い、粒断機の説明やリサイクル成形に関わる改善提案も一緒に行わせていただきます。
デモ機の申し込みページを見る
粉塵排出防止に貢献する『ヘリカルホッパー』
工場内へのガラス粉塵排出防止としては、ハーモの吸引式微粉除去ホッパー『ヘリカルホッパー』による集塵機能で工場内環境の悪化を防止します。
微粉を除去する吸引式の『ヘリカルホッパー』とは
- ホッパー内に発生させる螺旋気流と撹拌気流で、樹脂を「粉」と「材料」に分
- 離徹底的に粉塵を除去する装置です
ヘリカルホッパーの製品ページを見る
デモ機の無料貸出
ハーモのヘリカルホッパーを無料でお貸し出しして不良率改善のテストをしていただけます。ホッパーの設置には弊社担当者がお伺いし、品質改善のサポートをいたします。お気軽にお申し込みください。デモ機の申し込みページを見る