除湿乾燥機の段取り替えの現状
金型交換の度に必要となる材料替えは多くの作業と時間を必要とします。
材料替え時の作業例
- 除湿乾燥機を停止した後、余剰材を乾燥機から排出する
- 成形機上のホッパーから余剰材を排出する
- 除湿乾燥機内の清掃を行う
- 成形機上のホッパーの掃除を行う
- 必要に応じ材料供給ホースの清掃を行う、またはホース自体を交換する
- 新しい樹脂を除湿乾燥機へ投入する
- 予備乾燥を行う
これらの作業に伴い、成形終了と成形開始時点では「金型交換」「金型温度調節器の準備」「金型予備加熱」「取出しロボットの設定」など、一度に多くの段取り替えを行う必要があります。
材料の予備乾燥に時間がかかりすぎる
特に材料の予備乾燥は時間を要すことから、乾燥時間の短縮を考慮し、予備の除湿乾燥機を準備して、射出成形機の稼働率を落とさない工夫をされているお客様もおられます。
除湿乾燥機段取り替えの課題
除湿乾燥機の段取り替えは射出成形機の停止後の作業となるため、射出成形機稼働中の段取り替えを行うことはできません。
課題1. 予備の除湿機を持つ必要がある
そのため、成形中に次の材料の予備乾燥を行い、射出成形機の停止時間を極力低減させるためには予備の除湿乾燥機を持つ必要があり、予備乾燥機に対する余計な設備投資と稼働しない除湿乾燥機の保管場所の確保が課題となります。
課題2. 成形終了時の余剰材料排出に時間と手間がかかる
また、通常の除湿乾燥機とホッパーローダーの組み合わせでは樹脂材料が減少するとホッパー容量満杯まで材料が供給され、成形終了時の余剰材料排出に時間と手間がかかる課題もあります。
仕込み量50㎏の除湿乾燥機の場合、仕込み量以上に樹脂を使用する射出成形機では使用できないため、射出成形機の大きさに合わせて除湿乾燥機を揃える必要があります。
課題3. ホース交換の脱着作業にも時間がかかる
さらに、成形終了時のホース交換は工具の準備からホースの脱着作業に時間を要す課題もあります。
樹脂輸送用ホース接続『ワンタッチカプラ』
材料ホースの脱着時間を劇的に短縮するハーモのオリジナルアイテムです。
- 工具無しで簡単にホースの変更が可能
- 段取り替えの時間短縮に貢献
- はめ込み固定時は万が一ホースに引っ掛かっても外れにくい
- ロック機構プラグ側(パイプ無しタイプ)は装置に直接取付可能(Φ38に取付)
ワンタッチカプラの製品ページを見る
課題4. 作業効率が上がらない
除湿乾燥機の段取り替えも含め、金型交換、各種周辺機器の段取り替えは成形終了と成形開始時に集中し、作業を分散させられず作業効率が上がらない課題も挙げられます。
今までなかった課題解決方法
2タンク除湿乾燥機
除湿乾燥機の段取り替えの課題解決に必要なことは何かを考えたときに2タンク除湿乾燥機に行きつきました。
2タンク仕様の除湿乾燥機(ハーモの新製品)
- 仕込み量50㎏のタンクを2台搭載
- 最大100㎏仕込み
成形終了に併せ、マイコン制御にてタンク1には材料を供給し、タンク2へは材料を供給しません。よって、射出成形機が稼働中でも次の生産に併せて、タンク2では事前の清掃と樹脂の予備乾燥ができます。
最大樹脂仕込み量100㎏まで対応
また、材料仕込み量50㎏から最大樹脂仕込み量100㎏まで対応でき、小型成形機から中型成形機まで、幅広い射出成形機のレンジで使用できます。
材料の排出作業を軽減
成形終了に併せ、タンク1のみに樹脂材料を輸送でき、成形終了時の余剰材料排出を最小限にとどめ、材料の排出作業を軽減します。
予備乾燥機が不要に
1台の除湿乾燥機で、材料変更の段取り替えができるので、予備乾燥機を購入する必要は無く、予備乾燥機の保管場所も必要ありません。また、保管場所から射出成形機横まで、予備の除湿乾燥機を移動させる作業も省けます。
材料ホースの脱着時間を劇的に短縮するワンタッチカプラ
材料供給ホースの先端には、ワンタッチカプラをご用意しております。ホース交換作業の軽減と段取り時間短縮を実現します。
ワンタッチカプラの製品ページを見る
2タンク除湿乾燥機の新たな価値
このほか、以下のような価値もご提供できます。
2台目の除湿乾燥機が不要
1台の除湿乾燥機で2台の成形機へ樹脂を供給事ができるので、2台除湿乾燥機を購入する必要がありません。
2色成形機に1台で対応
2色成形機に1台の除湿乾燥機で対応することができます。
樹脂替えの段取り時間を短縮
タンク1からタンク2への樹脂供給の流れと、タンク2からタンク1への樹脂供給の流れを選択できるため、より樹脂替えの段取り時間短縮が図れます。